新Nビル

新Nビル

傾斜地を利用した建設会社の事務所ビルの計画である。

計画は、現況の段状敷地を最大限に利用してスキップフロア方式を取り入れている。
この断面計画は、建設コスト削減のためと、東側に広がる緑の風景に対して上下斜め方向の視界を作り出す事で、フロア内に大きな開放感をもたらすことを期待して採用している。 構造はRCラーメン構造である。建物全体はRCによる門型フレームでゲートをイメージさせる正面を作り出すことで、フレーム内の空間への期待感を演出している。
また平面計画の中間に当たる柱は、特別に鉄骨の無垢柱φ120を使用している。これはRC梁があたかも長スパンを負担しているように見え、視界を邪魔する柱が全くないように感じさせることができる。
そして光と視線の交錯通過を極力遮らないというコンセプトをより強調させるため、各フロア間の往来には、ガラスシャフトのエレベーターとストリップ階段を採用している。
建物全体の雰囲気は事業者イメージカラーの青を随所に入れながら、建設会社という特徴を汲み取り、コンクリートの素地をそのまま活かしたり、天井内配管を現しにするなど、様々な場所で野心的な仕上げの試みを行なっている。そして建物自体が建設のショールームとしての機能も兼ねることを目指している。

完成した建築はスキップフロアにより、流動的に各階が接続され、利用者の視線が上下斜めに交錯する事で、フロアの違う空間があたかも一体的に感じられている。スキップフロアは施工的には大変であったと思うが、期待以上の開放性が得られた作品になっている。

新Nビル
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所在地:横浜市南区
用途:事務所
工事種別:新築
構造種別:RC造
階数:地下1階、地上3階
延べ床面積:1,032.59㎡
竣工日:完成2023.10.18
担当者:三沢、陣内(フロムアーキテクツ)