藤沢病院 ～ あたたかい"精神病院"をめざして

精神医療においては、治療の舞台となる病院空間が一つの大きな役割(生活)を担っていると思います。一般病院以上に"滞在という時間""体ではなく、こころの病"において病院建築は大きな影響を与える可能性が高いと考えています。エントランスは大きな庇、そして無意識に記憶に残る"巨石"患者さん他全ての方々を「迎える・迎えたい」という思いをデザインしました。建物全体には木・光といった癒しを取り入れ、柔らかな雰囲気と安らぎが治療の一役を担えることを意図しています。また、既存病棟との離隔を確保したことによって生まれた中庭は、起伏(Undulation)や四季折々の表情を見せる植栽を配し、自由に散策できる多様な居場所を演出し、そこを空中ブリッジで接続しています。中庭は、外来待合いからの大切な修景にもなっています。
　コンクリート躯体部を必要最小限とし、主要部を置床とすることでフレキシブルな設計としました。また、免震構造を採用しており、建物の構造は１００年以上の存在を前提にしています。藤沢病院が将来に渡って、地域を代表する"あたたかく、ありがたい病院"であり続けることを祈願しております。
（担当：三沢・弓削・小泉）

中庭

中庭夜景

受付

生活機能回復訓練室

４床室

浴室

エントランス巨石 原石約５０ｔ設置時